Shopifyで磨かれる、汎用的なエンジニアリングスキル
Flagshipのエンジニアリングは、Shopifyを中心に据えたアーキテクチャ・システム構成を基盤にしています。ShopifyのGraphQLのAPIやWebhook、Reactフロントエンドのような基盤技術から、RemixやShopifyの各種MCPといった先進的なテクノロジーを活用しながら、我々は日々新しい価値をつくり出しています。
Shopifyは世界全体ではなく、Shopifyでしか無いですが、Shopifyの原理(ビジネスロジック整理手法、UIパターン、テクノロジー実装パターン等)を深く知ることが、他の世界を見る上で非常に有益と考えていますので、当社なりのその説明をさせていただきます。
「Shopify経験はShopifyにしか通用しない」は本当か?
時折、「Shopifyの経験はShopifyにしか使えないのではないか」という懸念が聞かれます。しかし実際はその逆です。Shopifyは、非常に洗練されたアーキテクチャを持ち、高速なプロダクト進化を続けているため、ここで得られる知見や技術選定・設計思想は、他のモダンなシステム設計にも十分応用が利きます。
例えば:
-
GraphQL APIの活用:複雑なデータ取得を効率化する設計思想は他のBFF層やSPAにも通用。
-
Event-driven Architecture:Webhookを軸にした非同期連携は、マイクロサービス設計に活きる。
-
認可と権限管理(scopes):OAuth2ベースの設計は、あらゆる外部連携に必要な考え方。
Shopifyは、決して“限定的な”領域ではなく、むしろ現代のSaaSエコシステムを先導している存在です。
北米テックエコシステムの中枢にいるShopify
Shopifyが単なるECプラットフォームではなく、テック企業としても一線級である理由は、彼らのオープンソース技術への投資姿勢と、最先端技術との結びつきにあります。
-
Remixの買収・支援
→ ReactベースのサーバーサイドレンダリングフレームワークRemixの開発を主導し、モダンなフロントエンド開発の世界を牽引。
-
Ruby on Rails界隈の大スポンサー
→ Shopifyはそのコア技術にRailsを用いており、コミッターとしても長年Railsの進化に寄与。
-
GitHub Copilotのファーストカスタマー
→ AIペアプログラミングの先駆けとして、開発生産性の向上にいち早く投資。
-
OpenAIとの強い連携
→ プロダクトやDev ToolsにもAI活用を積極的に導入し、開発体験の革新を推進。
こうした背景から、Shopifyでの開発経験は「北米トップクラスのテック企業と同等のテクノロジーエクスポージャー」を得られる環境であるとも言えます。
枯れたレガシープラットフォームとの違い
Shopifyの魅力は、進化の速さと、それを支える開発者体験にあります。たとえば、旧来のERP的なレガシープラットフォームでは、技術選定が古く、自由度も低く、進化スピードも遅いため、エンジニアが成長できる「環境」としては適していません。
一方Shopifyは、進化を止めず、開発者コミュニティに投資を続け、ツール群のUX改善にも本気です。そのため、自然と開発体験が洗練され、学習も実装もスピーディーに進められます。
制約があるからこそ、クリエイティビティが問われる
Shopifyは、すべてを自由にカスタマイズできるわけではありません。CheckoutやProduct Model、Admin UIなどには制約があります。しかしこの「制約こそが創造性の起点」となります。
-
制約の中で「どう設計すれば将来的な拡張性も担保できるか」
-
限られた領域で「どう技術を組み合わせて、最大限の価値を引き出すか」
という問いに対して、Webhook・Functions・App Proxyなどを駆使しながら挑戦できるのは、開発者として非常に面白く、成長できる機会でもあります。
Flagshipで得られるもの
-
ShopifyというモダンなSaaSをベースとしたアーキテクチャパターン
-
商用プロダクトにおける現実的な制約との向き合い方
-
サーバレス・非同期処理・GraphQLなど現代的な技術スタックへの理解
-
北米テック最前線に直結するツール群との接触機会
-
「制約の中で創意工夫する」楽しさと、そのアウトプットをチームで共有できる文化
Shopifyを「限定的な技術」と捉えるのではなく、「成長のための理想的なプレイグラウンド」として捉えることが、今後のキャリアにも直結します。
Shopifyの上で構築された技術スキルは、決して“Shopifyに閉じた”ものではありません。その本質を理解すればするほど、普遍的なエンジニアリングスキルとして身につきます。
最後に、技術に寄せて書いているものの、本質はより広範に捉えることができます。Shopifyの原理のしっかりとした理解と、その理解の抽象化により、他のあらゆるソフトウェア、プラットフォームを見た際に、それを理解するためのメガネを与えてくれます。端的に言うと、この先初めて直面したものでも、そのメガネ/基準があることで、その新しいものの理解のための仮説力、そして理解力が上がると言うことです。
具体的なもの(Shopify)の理解を通じて、それ自体の理解に留まらず、それをいかに抽象化できるかと言うのが、職種問わず、仕事のレイヤーを上げていくための黄金のルートと言うことですね。
フラッグシップではエンジニアをはじめとする各職種の採用を行っています。詳細はこちらのリンクをご覧ください。