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Shopifyメールの到達率アップ!Dotdigitalで解決する3つのポイント
はじめに
こんにちは!フラッグシップ株式会社 バックエンドエンジニアのKeitaです。
はじめに
ShopifyなどのECサイトを運営されている皆さん、メールマーケティングの効果に疑問を感じていませんか?「以前より反応率が下がった」「キャンペーンの成果が出にくくなった」という声をよく耳にします。
実は問題の多くは、メールマーケティングの効果自体ではなく「メールが顧客の受信箱に届いていない」という根本的な課題にあります。特に2023年末にGmailとYahoo!が新しいメール配信ポリシーを導入し、2024年2月から本格適用されたことで、多くのECサイトでメールの到達率に大きな影響が出ています。
この新ポリシーでは:
- 迷惑メール率を0.3%未満に抑えること
- SPF/DKIM/DMARCなどのメール認証設定が厳格に求められること
- 購読解除のプロセスが明確であること などが要件となり、これらを満たさないメールは受信箱に届かなくなっています。

このような状況の中で評価され、Shopifyサイトで導入が増えているのがDotdigitalというMAツールです。私自身、バックエンドエンジニアとしてECプロジェクトでDotdigitalを活用した経験から、特に技術的な信頼性やShopifyとの連携のしやすさを感じています。
この記事では、Shopifyのメール到達率を改善するためのDotdigitalの活用方法について、3つのポイントをご紹介します。
Dotdigitalとは?
Dotdigitalは、世界で4000社以上に導入されているマーケティングオートメーション(MA)ツールです。Shopifyとの連携が容易で、メール配信を中心に、SMS、LINEなど複数のコミュニケーションチャネルを管理できます。
メールが確実に届くことで初めて顧客体験が始まります。それでは、Dotdigitalを活用したメール到達率向上の3つのポイントを見ていきましょう。
到達率を改善する3つのポイント

① 高度なメール認証と配信インフラの活用
Dotdigitalの強みは、最新のメール認証技術への対応です。メールが迷惑フォルダに振り分けられないためには、以下の要素が重要です:
- SPF、DKIM、DMARCの設定 - Dotdigitalでは管理画面から比較的簡単に設定可能
- 送信ドメイン認証 - 「noreply@」などの汎用ユーザー名ではなく、自社ブランドのドメインからのメール送信を設定できる
- IP評価管理 - 送信最適化による到達率の確保
特にGmailの新ポリシーでは、迷惑メール率を0.3%未満に抑えるという厳しい基準があります。Dotdigitalの配信インフラはこの基準をクリアするよう設計されています。
カスタム送信ドメインの設定も重要です。「noreply@」などの汎用アドレスではなく、自社ブランドの正規ドメインからの送信を設定することで、信頼感が高まり、開封率の向上につながります。
② Shopifyとのデータマッピング連携の最適化
メールの到達率には、「適切な相手に適切な内容を送る」というセグメント配信の質も影響します。Dotdigitalでは、Shopifyの顧客データを活用した精度の高いセグメント配信が可能です:
- メタフィールド連携 - 会員ランクや購入頻度などの属性データを活用
- 購買履歴の活用 - 購入商品カテゴリや購入サイクルに基づいたターゲティング
- 行動データの統合 - サイト閲覧履歴とメール開封・クリック履歴の組み合わせ
フィールドマッピングでは、まず「基本的な顧客情報」(名前、メール、電話番号)を正確にマッピングし、その上で「購買行動」や「メール反応性」などのカスタムフィールドを追加することがおすすめです。
特に効果が高いのは「最後の購入日からの経過日数」や「特定カテゴリーへの関心度」などの動的セグメントです。顧客の現在のニーズに合ったコンテンツ配信が可能になり、不要なメールによるスパム報告のリスクを減らせます。
③ 顧客体験重視の双方向同期による到達率向上
Dotdigitalの特長の一つが「双方向同期」機能です。通常のMAツールでは、ShopifyからMAツールへのデータ連携は一方通行ですが、Dotdigitalではデータの更新が双方向に行われます:
- 顧客の閲覧・購買行動の統合分析 - メールでクリックした商品カテゴリーとECサイトでの閲覧履歴を統合して分析し、一貫した興味関心を把握
- 嗜好情報の店舗スタッフとの共有 - オンラインでの行動から把握した顧客の好みが店舗側でも共有され、オムニチャネル体験を実現
- メール反応データに基づく商品レコメンド - メールでよく開封する商品カテゴリーをECサイトのレコメンドに反映
この双方向同期は顧客理解を深め、より関連性の高いコンテンツ配信を可能にします。例えば、アクセサリーのメールをよく開封する顧客には、次回からアクセサリー関連の情報を優先的に届けることができます。こうした顧客理解に基づいた配信は、「このブランドからのメールは自分にとって価値がある」という認識を高め、開封率の向上とスパム報告の減少につながります。
顧客の行動データを双方向で活用することで、より適切なタイミングと内容でのコミュニケーションが可能になり、結果としてメールの到達率向上に貢献します。
さらに効果を高めるには?メール疲れと休眠顧客の管理

上記3つのポイントに加えて、メールマーケティングの効果をさらに高めるために注目したいのが「メール疲れ(Email Fatigue)」への対応と休眠顧客の適切な管理です。
昨今、多くの顧客が「メール疲れ」に悩まされています。毎日大量のメールが届き、そのほとんどが開封されないまま放置される現状は、顧客体験を損なうだけでなく、企業側のリソース浪費にもつながっています。
この問題への効果的なアプローチとして、以下の2つの戦略が重要です:
- スマートなセグメント配信 - 全顧客に同じメールを送るのではなく、興味関心や行動履歴に基づいたセグメントに分けて配信する
- 休眠顧客の適切な管理 - 長期間反応のない顧客へのアプローチを見直す
特に休眠顧客管理については、当社が提供するShopifyアプリ「Delete Me」のAutoDelete機能が効果的です。この機能は、EC事業者が設定した期間(例:6ヶ月間)反応のない休眠顧客を自動的にリストから削除します。
AutoDelete機能のメリットは多岐にわたります:
- コスト削減 - MAツールの料金は多くの場合、顧客リスト数に応じて増加するため、不要なデータ削除によるサブスクリプション費用の最適化が可能
- リソース効率化 - 反応する可能性の高い顧客への集中投資が可能になる
- 顧客への配慮 - 不要なメールで顧客のメールボックスを圧迫せず、ブランドイメージを守れる
- 到達率の向上 - 開封率や反応率が向上し、メールプロバイダからの評価も改善
重要なのは「すべての顧客に同じメールを送る」という考え方から脱却することです。Dotdigitalが提供するAIセグメントや自動生成される顧客カテゴリーを活用すれば、顧客一人ひとりの状況や関心に合わせたコミュニケーションが可能になります。
これは単なる効率化ではなく、「顧客を理解し、顧客の時間を尊重する」というブランドの姿勢の表れでもあります。メールマーケティングは数打てば当たるというものではなく、顧客との深い関係性構築のためのコミュニケーション手段であることを忘れてはなりません。
まとめ
ShopifyでのECビジネスにおいて、メールが届かないという問題は、ECサイトの売上や顧客関係に直接影響を与える重要な課題です。本記事でご紹介したポイントは以下の通りです:
- 高度なメール認証と配信インフラ - 厳格化されたGmailやYahoo!のポリシーに対応し、確実に受信箱へ届ける
- 精度の高いデータマッピング連携 - 顧客のニーズに合わせた適切なセグメント配信で反応率を高める
- 双方向同期による顧客理解の深化 - オンライン行動とメール反応の統合分析で、より関連性の高いコミュニケーションを実現
さらに、メール疲れへの対応と休眠顧客管理も、メールマーケティングの効果を高める重要な要素です。
メール到達率の向上は単なる技術的な課題ではなく、顧客との信頼関係構築の基盤です。大切なのは、「このメールは自分にとって価値がある」と顧客に感じてもらえるようなコミュニケーションを心がけることです。
メールマーケティングの本質は、数をこなすことではなく、一人ひとりの顧客との対話を大切にする姿勢にあります。技術的なツールや機能を活用しながらも、その先にある「顧客との関係性構築」という本来の目的を見失わないことが、長期的なECビジネスの成功につながるでしょう。
Dotdigitalの技術的な設定方法や詳細な手順については、Dotdigitalのページへどうぞ。もし、設定や技術的な実装でお悩みの点があれば、ぜひフラッグシップにお気軽にご相談ください。課題解決のお手伝いができれば嬉しいです。