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Shopify Plusの運用要件定義上考慮すべき例外的シナリオ
ECサイトを構築するプロジェクトで見落としがちなのが運用要件で、より噛み砕くと、特段例外的シナリオの業務フロー設計が漏れている傾向が見られます。
どういうことかというと、例えば通常の受注処理や商品登録方法については入念に確認していても、物流側の問題やお客様からのお問い合わせ起点で生じうるような例外的なシナリオには、いざ直面してから考えるというケースがしばしば見られます。全ての例外的シナリオを想定しておくことはできないので、想定外のケース発生時の対応方法の相談先としてEC運用の専門家とサポート契約をしておくことが考えられますが、比較的よくある例外ケースについて、最初から計画しておけるよう、本コラムにてまとめております。
運用上生じ得る例外的シナリオ一覧
決済まわり
- 返金
- 返金期限や、月跨ぎ返金に関わる仕様など、搭載する全ての決済プロバイダーと確認しておく
- クレジットカードのように自動的に返金できない決済手段(代金引換など)の場合の返金方法の検討
- 返金後、発行済領収書の対応をどう考えるか
- 返金データをどのように外部会計システムに渡すか
- 与信切れ
- クレジットカード決済で受注済みの注文の与信保持可能期間が切れてしまった場合の対応
- 請求先住所(お客様の住所)変更
- 稀に、請求先住所情報を編集する必要がありますが、Shopifyの仕様上、存在する注文の請求先住所は変更ができません。
- 送料無料条件を満たさなくなった場合
- 元々送料無料閾値を超えて送料無料だったりした注文の一部商品をキャンセルした場合の対応
- ポイント
- 返金に伴いポイントを差し引く場合、残高がマイナスになった場合の対応
- 審査落ち
- 審査の伴う決済手段(後払いなど)で、審査落ちした場合の注文の処理
物流まわり
- 返品
- 返品フローの確立。返金できないポリシーだったとしても、商品に想定外の不具合があったりと、どうしても返送していただく必要のあるシナリオに備える。返品先、検品方法、EC在庫への戻し方など。
- 交換品発送
- お届けした商品に不具合があり、返品は要求せず、交換品を発送する場合の注文データ・出荷指示データの作り方
- 代金引換注文の受け取り拒否
- 代金引換指定で注文しつつ、いざ届けると軒先で受取拒否をされるケースが少なからずあるため、その対応(ブラックリスト登録など)
- 引当不可(売り越し含む)
- 受注したものの、何らかの理由で在庫が引き当てられず、出荷できない場合の対応
- 長期休暇
- 年末年始、ゴールデンウィークなどの長期休暇の際の与信保持や休暇直後の出荷対応
受注管理まわり
- リスクフラグが立っている注文
- Shopifyがリスク「高」判定した注文の対応(自動キャンセルなど)
- Shopifyがリスク「中」判定した注文の対応(出荷保留+通知など)
- 条件を満たさないと買う予定のない注文
- 転売屋などが、コンビニ前払いなどで注文を入れ、転売できた場合にのみ支払う(つまりそれまでは支払いを保留する)ということや、売れるまでの無限ループをされている方への対応
- 怪しい注文
- 転売屋などのbotからの購入と思われる場合の対応
- 配送先住所が海外転送サービスの住所と思われる場合の対応
- 請求先住所に想定していない国が入ってくる
- 国内限定ECサイトでも、外部の販売チャネルやクイックチェックアウト手段からの受注で、請求先住所の国が日本以外になった場合の影響調査